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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻5号

2008年05月発行

文献概要

技術講座 血液

異型リンパ球の鑑別法

著者: 鶴田一人1 濵﨑典子1 上平憲12

所属機関: 1長崎大学医学部・歯学部附属病院医療技術部検査部門 2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態解析制御学講座病態解析診断学

ページ範囲:P.397 - P.403

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新しい知見

 日本検査血液学会標準化委員会20071)はリンパ球と異型リンパ球を下記のように規定している.「“リンパ球”は直径9~16μmで,細胞質は比較的広いものから狭いものまである.色調は淡青色から青色を呈する.なお,アズール顆粒を認める場合がある.核は類円形で,核クロマチンは集塊を形成しクロマチン構造が明らかでない.一方,“異型リンパ球”は直径16μm(赤血球直径のおおよそ2倍程度)以上で細胞質は比較的広い.色調はリンパ球に比較し好塩基性(青色)が強い.なお,アズール顆粒,空胞を認める場合がある.核は類円形,時に変形を呈する.核クロマチンは濃縮しているがリンパ球に近いものからパラクロマチンの認められるものまである.核小体が認められるものもある.なお,判定が困難な場合はリンパ球との相違点を記載する.」

参考文献

1) 日本血液検査学会標準化委員会:http://www.jslh-sc.com/
2) 北村聖:リンパ球の増加と減少.池田康夫,押味和夫,朝長万左男,他(監):血液疾患診療マニュアル.メジカルビュー社,pp85-86,2000
3) 鶴田一人,山田恭暉,上平憲:多項目自動血球分析装置XE-2100有用性の評価.Sysmex Journal 22:195-206,1999
4) 上平憲:リンパ球形態―良性・悪性の見方.日本検査血液学会雑誌 2:202-208,2001
5) 鶴田一人,梶山聡美,上平憲:検査室のための血液アトラス―リンパ球編,シスメック株式会社,2001
6) 河敬世:伝染性単核球症.池田康夫,押味和夫,朝長万左男,他(監修):血液疾患診療マニュアル.メジカルビュー社,pp204-205,2000
7) Bain BJu:uLeukemia Diagnosisu:uA guide to the FAB classification. Gower Medical Publisher, London,1990
8) Jaffe ES, Harris NL, Stein H, et alu:uWHO Classification of Tumours, Pathology and Genetics of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues. IRAC Press, Lyon,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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