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技術講座 生化学
血清アルブミンの測定法―BCG法から改良BCP法へ
著者: 村本良三1
所属機関: 1(財)心臓血管研究所付属病院臨床検査部
ページ範囲:P.405 - P.409
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血清アルブミンの日常検査法としては,色素結合法であるブロムクレゾールグリーン(bromcresol green,BCG)法とブロムクレゾールパープル(bromcresol purple,BCP)法が代表的である.しかし,両者は必ずしも正確度の高い定量法ではなく,誤差要因が多い.そのような背景から,正確度の高い測定法として改良BCP法が開発された.標準化の動向として現在,日本臨床化学会において常用基準法が,日本臨床検査標準協議会において常用標準物質がほぼ確立されてきている.両者による日常検査法の評価を行ったところ,トレーサビリティ連鎖が確保できる可能性があった測定法は改良BCP法のみであり,今後は同法によって標準化が進むものと考えられる.
血清アルブミンの日常検査法としては,色素結合法であるブロムクレゾールグリーン(bromcresol green,BCG)法とブロムクレゾールパープル(bromcresol purple,BCP)法が代表的である.しかし,両者は必ずしも正確度の高い定量法ではなく,誤差要因が多い.そのような背景から,正確度の高い測定法として改良BCP法が開発された.標準化の動向として現在,日本臨床化学会において常用基準法が,日本臨床検査標準協議会において常用標準物質がほぼ確立されてきている.両者による日常検査法の評価を行ったところ,トレーサビリティ連鎖が確保できる可能性があった測定法は改良BCP法のみであり,今後は同法によって標準化が進むものと考えられる.
参考文献
1) Gustafsson JEu:uImproved specificity of serum albumin determination and estimation of "acute phase reactants" by use of the bromcresol green reaction. Clin Chem 22:616-622,1976
2) 村本良三,櫛下町醇,松下誠,他:血清保存中のブロムクレゾールパープル法による血清アルブミン濃度の測定値の上昇に関する検討.臨床化学 20:13-17,1991
3) 村本良三,松下誠,入野勤:正確度を改善したブロムクレゾールパープル法による血清アルブミン定量法の開発.臨床化学 26:38-43,1997
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8) 村本良三:ヘパリン採血におけるアルブミン測定でフィブリノゲン値分だけ高値に出る理由は.検査と技術 34:156-158,2006
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