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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻5号

2008年05月発行

文献概要

ワンポイント・アドバイス

頸動脈計測法―IMTの測定法

著者: 永野恵子1 長束一行2

所属機関: 1大阪大学医学部附属病院脳卒中センター 2国立循環器病センター内科脳血管部門

ページ範囲:P.420 - P.421

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はじめに

 Bモード上で総頸動脈(common carotid artery,CCA)を長軸で描出すると,血管内腔に一層の膜様に見える部分がある.これが内膜中膜複合体(intima-media thickness,IMT)である(図1).頸動脈のIMTは,短時間でほぼ対象者全員の測定が可能な非侵襲的検査であるという点から,大規模疫学臨床試験に好んで用いられ,早期動脈硬化の指標として注目されている.IMTは全身の動脈硬化の程度を評価するうえで重要な指標であり,さまざまな大規模臨床試験により脳梗塞を含めた心血管疾患発症との関連が報告されている1~3).その指標として各学会によってさまざまな計測法が提唱されており,本稿では用語の整理を含めそれらを解説する.

 IMTは加齢,高血圧症,高脂血症,糖尿病によって肥厚するが,1.0mm以下を正常,1.1mm以上を異常肥厚と診断する.

参考文献

1) Chambless LE, Folsom AR, Clegg LX, et alu:uCarotid wall thickness is predictive of incident clinical strokeu:uthe Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) study. Am J Epidemiol 151:478-487,2000
2) O'Leary DH, Polak JF, Kronmal RA, et alu:uCarotid-artery intima and media thickness as a risk factor for myocardial infarction and stroke in older adults. Cardiovascular Health Study Collaborative Research Group. N Engl J Med 340:14-22,1999
3) del Sol AI, Moons KG, Hollander M, et alu:uIs carotid intima-media thickness useful in cardiovascular disease risk assessment? The Rotterdam Study. Stroke 32:1532-1538,2001
4) 日本脳神経学会・栓子検出と治療学会合同ガイドライン作成委員会:頸部血管超音波検査ガイドライン.Neurosonology 19:50-68,2006
5) Kawamori Ru:uAsymptomatic hyperglycaemia and early atherosclerotic changes. Diabetes Res Clin Pract 40(Suppl):S35-42,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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