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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻5号

2008年05月発行

Laboratory Practice 〈臨床生理●脳波検査のステップアップ・6〉

脳波賦活法

著者: 渡辺修久1 中山和男 吉永治美2

所属機関: 1岡山大学病院医療技術部 2岡山大学大学院医歯薬学総合研究科発達神経病態学

ページ範囲:P.439 - P.444

文献概要

はじめに

 臨床脳波検査は被検者の脳波を覚醒安静閉眼状態で約30分間記録するのが基本である.しかし,この記録だけでは十分な情報を得ることは多くの場合困難である.そこで,安静状態でははっきりしない異常を明らかにしたり,軽度にしかみられない異常を顕在化させるために,脳になんらかの刺激を与えることを脳波の賦活法と呼ぶ.日常検査として用いる賦活法は開閉眼,閃光刺激,過呼吸,睡眠が一般的であり,そのほか図形刺激,音刺激,断眠賦活,薬物賦活などもある.本稿では一般的な四つの賦活法について,目的,方法,検査のポイントを中心に述べ,最後に筆者らが実際にその有用性,安全性を検討した特別な賦活法(段階別光刺激法)について紹介する1~3)

参考文献

1) 日本臨床神経生理学会 臨床脳波検査基準改訂委員会:改訂臨床脳波検査基準2002.臨床神経生理学 31:221-242,2003
2) 大熊輝夫:臨床脳波学 第5版.医学書院,pp44-60,1999
3) 吉川眞由美:脳波の賦活法.日本臨床衛生検査技師会(編):脳波・筋電図検査の実際.pp35-51,1999
4) 中山和男,山磨康子,大田原俊輔:乳幼児脳波の基礎波に及ぼす開閉眼の影響.臨床脳波 32:796-802,1990
5) 渡辺修久,岡田健,三鍋博史,他:間歇的光刺激における光源輝度の検討.テレビ視聴中に急性症状をきたした患者について.医学検査 50:1349-1354,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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