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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻5号

2008年05月発行

文献概要

けんさ質問箱

“しわ”にならない病理組織標本の作製の仕方

著者: 阿部寛1 五十嵐功2 小林良光3

所属機関: 1順天堂大学医学部人体病理病態学講座 2第一三共(株)安全性研究所 3(株)ボゾリサーチセンター御殿場研究所

ページ範囲:P.452 - P.453

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Q.“しわ”にならない病理組織標本の作製の仕方

 病理組織標本がしわになります.しわができないようにするためには,どうしたらよいでしょうか.腸や血管でしわになることが多いと思います.(東京都 I.K.生)


A.阿部 寛・五十嵐功・小林良光

はじめに

 病理組織標本を作製する際には,顕微鏡観察の支障となるさまざまなアーティファクト(人工産物)が発生します.それらアーティファクトの多くは発生原因が明らかであり,標本作製時の注意や作製方法の工夫によって防止することが可能です.病理組織標本にみられる“しわ”もアーティファクトの一つです.本稿では,日常汎用される病理組織標本作製法(ホルマリン固定,パラフィン包埋による方法)を対象に,しわを誘発する基本的な原因を述べ関連する操作について解説するとともに,しわを防止あるいは改善するための対策を紹介します.

参考文献

1) 佐野豊:組織学研究法,南山堂,1981
2) 日本病理学会(編):病理組織標本作製技術上巻,医歯薬出版,1981
3) 実験病理組織技術研究会(編):実験病理組織標本作製上のQ&A,2001
4) 南風原英之,中嶋安彬:病理組織標本のアーティファクト,医歯薬出版,1982
5) 平山章,畠山茂:AFIP病理組織標本染色法マニュアル,清至書院,1982

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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