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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻5号

2008年05月発行

文献概要

トピックス

血尿診断ガイドライン

著者: 油野友二1 伊藤機一2

所属機関: 1金沢赤十字病院検査部 2大東文化大学スポーツ・健康科学部

ページ範囲:P.454 - P.457

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■ガイドラインの目的と誕生までの足跡

 血尿に関するガイドラインの重要な目的は,健康診断などで見いだされる尿潜血反応陽性者の診療指針の作成にある.血尿診断ガイドライン検討委員会(表1)は,2002年に第1回委員会が開催され,当初は日本泌尿器科学会,日本腎臓学会,日本小児腎臓学会の3学会による検討が行われた.第2回委員会より日本臨床検査医学会から伊藤機一先生が参画され,同席上で尿検査の現状を周知している臨床検査技師の参画が望ましいとの提案と委員へ『尿沈渣検査法2000』1)の配布がなされた.その結果,これまでにあまり例をみない,臨床での診断ガイドライン作成に臨床検査技師の正委員として参画が実現した.その後,4年間で8回の委員会が開催され,その過程で日本臨床検査標準協議会(Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards,JCCLS)による尿試験紙標準化2)による尿潜血反応(1+)の国内統一の内容,尿沈渣検査による尿中赤血球数算定の課題などが検査の立場から報告された.これらのことにより,血尿診断において最も重要なその定義と基準について,臨床検査の現状に合致したガイドラインの誕生に寄与できたと考える.

参考文献

1) (社)日本臨床衛生検査技師会(編):尿沈渣検査法2000.日本臨床衛生検査技師会,2000
2) JCCLS尿試験紙検討委員会:「尿試験紙検査法」JCCLS指針提案(追補版)尿蛋白,尿ブドウ糖,尿潜血試験紙部分表示の統一化.日本臨床検査標準協議会会誌 19:53-65,2004
3) Iseki K, Iseki C, Ikemiya Y, et alu:uRisk of developing end-stage renal disease in a cohort of mass screening. Kidney Int 49:800-805,1996
4) Mariani AJ, Mariani MC, Macchioni C, et alu:uThe significance of adult hematuriau:u1,000 hematuria evaluations including a risk-benefit and cost-effectiveness analysis. J Urol 141:350-355,1989

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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