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技術講座 生化学
―臨床化学基礎技術シリーズ―3.分析ツール その2:温度
著者: 関口光夫1
所属機関: 1前・日本大学医学部附属板橋病院臨床検査部
ページ範囲:P.477 - P.484
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原子,イオン,分子などの粒子から構成される物質は,ある条件下の温度や圧力において固体(solid),液体(liquid)あるいは気体(gas)のいずれかの状態をとりうる.また,分子は熱エネルギーを受けると解離して原子になり,さらに熱エネルギーを受けるとその原子の電子殻は基底状態から,よりエネルギー凖位の高い励起状態をとる.例外もあるが,一般的には温度が高くなると化学反応度は速くなる.このように自然科学で取り扱われる普遍化された現象には温度が関与するものが多いが,同時に圧力などの他の因子が加わることもある.本稿では臨床化学領域で温度がかわる法則を挙げ解説したい.
原子,イオン,分子などの粒子から構成される物質は,ある条件下の温度や圧力において固体(solid),液体(liquid)あるいは気体(gas)のいずれかの状態をとりうる.また,分子は熱エネルギーを受けると解離して原子になり,さらに熱エネルギーを受けるとその原子の電子殻は基底状態から,よりエネルギー凖位の高い励起状態をとる.例外もあるが,一般的には温度が高くなると化学反応度は速くなる.このように自然科学で取り扱われる普遍化された現象には温度が関与するものが多いが,同時に圧力などの他の因子が加わることもある.本稿では臨床化学領域で温度がかわる法則を挙げ解説したい.
参考文献
1) 国立天文台(編):理科年表 平成20年版(第81冊).丸善,pp384-385,2007
2) JCSSが提供するトレーサビリティ体系:温度の例.http://www.iajapan.nite.go.jp/iajapan/pr/trace temperature.pdf
3) 高橋勝幸:測定温度の計測.検査と技術 17:1383-1388,1989
4) 関口光夫:測定温度の正確さ.検査と技術 27:187-193,1999
5) 関口光夫:臨床化学検査における基礎科学の重要性.検査と技術 35:666-667,2007
6) 関口光夫:イオン選択電極法.検査と技術 17:1167-1172,1989
7) 日本分析化学会九州支部(編):機器分析入門 改訂第3版.南江堂,pp89-115,1998
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9) 計測自動制御学会(原案作成協力者):JIS Z8710-1980温度測定方法通則.日本規格協会,1980
10) 日本電気計測器工業会(原案作成協力者):JIS C1602-1981熱電対.日本規格協会,1981
11) 桑克彦(編):実践臨床検査機器マニュアル.サンエンスフォーラム,pp190-200,1985
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