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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻6号

2008年06月発行

文献概要

疾患と検査値の推移

骨粗鬆症

著者: 稲葉雅章1

所属機関: 1大阪市立大学大学院代謝内分泌病態内科学

ページ範囲:P.495 - P.501

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はじめに

 骨粗鬆症の診療分野での最近の最も大きな変化は,エビデンスに基づいた強力な骨折抑制効果を有する薬剤使用が可能になったことである.実際,大規模臨床試験によって,椎体骨折の約50%,大腿骨頸部骨折の約25%が早期治療により予防できることが明らかとなった.また,骨粗鬆症の診断基準は,以前は骨量減少のみによる診断であったが,骨量に加えて骨質を考慮したものに変更された.骨質劣化の規定因子として過度の骨代謝回転亢進や低下が主たる要因として規定されたため,骨代謝マーカー測定時の異常上昇・低下は,骨量測定とは独立した骨折リスクの危険因子と認識されている.日本人のCa代謝異常の特徴としてCa欠乏が特に挙げられる.したがってCaバランスに関する検査も重要となる.本稿では,これら骨粗鬆症の診療分野で頻用される骨代謝マーカーとカルシウム代謝検査について詳述する.

参考文献

1) 折茂肇,林泰史,福永仁夫,他:原発性骨粗鬆症の診断基準(2000年度改訂版).日本骨代謝学会雑誌 18:76-82,2001
2) Yamada S, Inaba M, Kurajoh M, et alu:uUtility of serum tartrate-resistant acid phosphatase (TRACP5b) as a bone resorption marker in patients with chronic kidney diseaseu:uindependence from renal dysfunction. Clin Endocrinol (Oxf). in press
3) Garnero P, Hausherr E, Chapuy MC, et alu:uMarkers of bone resorption predict hip fracture in elderly womenu:uthe EPIDOS Prospective Study. J Bone Miner Res 11:1531-1538,1996
4) Inaba M, Okuno S, Kumeda Y, et alu:uIncreased incidence of vertebral fracture in older female hemodialyzed patients with type 2 diabetes mellitus. Calcif Tissue Int 76:256-260,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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