文献詳細
文献概要
Laboratory Practice 〈生化学〉
亜鉛測定の自動分析
著者: 日暮和彦1
所属機関: 1株式会社シノテスト研究開発部
ページ範囲:P.528 - P.530
文献購入ページに移動はじめに
亜鉛(Zn)は,生体内に広く分布し,多くの金属酵素の重要な構成成分として存在する1).生体内のさまざまな機能が亜鉛によって維持されており,亜鉛欠乏の検出は疾患の治療に結びつく重要な情報の一つとなる2).
わが国の臨床検査においては,血清亜鉛のほとんどは原子吸光法,一部が除蛋白操作を必要とする用手法試薬にて測定されてきた.このような現状と,昨今の亜鉛測定の簡易化への要望の高まりに応じて,われわれはキレート剤を用いた亜鉛比色測定試薬「アキュラスオートZn」を開発した.本法は,除蛋白操作を必要としない,わが国初の直接比色法による自動分析装置用亜鉛測定試薬である.本稿では,本法の特性とともに亜鉛測定の特性についても論ずる.
亜鉛(Zn)は,生体内に広く分布し,多くの金属酵素の重要な構成成分として存在する1).生体内のさまざまな機能が亜鉛によって維持されており,亜鉛欠乏の検出は疾患の治療に結びつく重要な情報の一つとなる2).
わが国の臨床検査においては,血清亜鉛のほとんどは原子吸光法,一部が除蛋白操作を必要とする用手法試薬にて測定されてきた.このような現状と,昨今の亜鉛測定の簡易化への要望の高まりに応じて,われわれはキレート剤を用いた亜鉛比色測定試薬「アキュラスオートZn」を開発した.本法は,除蛋白操作を必要としない,わが国初の直接比色法による自動分析装置用亜鉛測定試薬である.本稿では,本法の特性とともに亜鉛測定の特性についても論ずる.
参考文献
1) 柳澤裕之:亜鉛の生理.治療 87(臨増):4-8,2005
2) 和田攻,冨田寛,岡田正,他:エビデンスに基づいた微量元素欠乏症の臨床(座談会).日医雑誌 129:589-603,2003
3) Foote JW, Delves HTu:uAlbumin bound and alpha 2-macroglobulin bound zinc concentrations in the sera of healthy adults. J Clin Pathol 37(9):1050-1054,1984
4) Makino T, Saito M, Horiguchi D, et alu:uA highly sensitive colorimetric determination of serum zinc using water-soluble pyridylazo dye. Clin Chim Acta 120:127-135,1982
5) Helman EZ, Wallick DK, Reingold IMu:uVacutainer contamination in trace-elements studies. Clin Chem 17:61-62,1971
6) 野本昭三,山内一由,中林徹雄:血清亜鉛値による亜鉛欠乏症検出システムの現況 その欠落部への提言.Biomed Res Trace Elements 14:335-337,2003
7) 牧野鉄男,深瀬和美,山下由姫:血漿中と血清中の亜鉛濃度にまつわる問題:全血検体の正しい取り扱い方とは?.Biomed Res Trace Elements 11:433-434,2000
8) 倉澤隆平,久堀周治郎,上岡洋晴,他:長野県北御牧村村民の血清亜鉛濃度の実態.Biomed Res Trace Elements 16:61-64,2005
9) 冨田寛,田中真琴,生井明浩:エビデンスに基づいた血清亜鉛値による亜鉛欠乏症の診断基準値.Biomed Res Trace Elements 18:54-62,2007
掲載誌情報