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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻7号

2008年07月発行

文献概要

技術講座 微生物

肺炎マイコプラズマの分離培養法

著者: 田澤節子1 丸茂健治2

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院中央臨床検査部 2昭和大学藤が丘病院臨床病理科

ページ範囲:P.605 - P.608

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新しい知見

 肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)の培養はPPLO(pleuropneumonia-like organisms)培地を使用するが,培養に時間がかかり,判定が煩雑なことから,M. pneumoniae感染症診断では血清学的検査法〔粒子凝集反応(particle agglutination,PA)法や迅速酵素免疫測定法など〕が主流である.最近では,特異プライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction,PCR)法によるマイコプラズマ肺炎の迅速診断も可能になった.一方,2000年を境にしてマイコプラズマ肺炎治療に有効なマクロライド耐性株が分離されるようになり,新たな問題が発生した1).このような薬剤耐性M. pneumoniaeの検出検査には,薬剤感受性試験や耐性遺伝子検出試験が必要である.このため患者検体からのM. pneumoniae分離培養は,以前にも増して欠かせなくなった.

参考文献

1) 成田光生:薬剤耐性マイコプラズマの現状と今後の展望.Modern Media 53:297-306,2007
2) Waites KB, Taylor-Robinson Du:uMycoplasma and Ureaplasma. Murray PR, Baron EJ, Jorgensen J, et al (ed)u:uManual of Clinical Microbiology, 9th ed. ASM press, Washington DC,pp1004-1020,2007
3) 吉田眞一:マイコプラズマ.吉田眞一,柳雄介(編):戸田新細菌学.南山堂,pp673-682,2007
4) 岡崎則男,大屋日登美,佐々木次雄,他:肺炎マイコプラズマの分離培養と薬剤感受性試験.日本マイコプラズマ学会雑誌 33:60-63,2006
5) 見理剛:日本におけるマイコプラズマ肺炎の発生状況.日本マイコプラズマ学会 第34回学術集会,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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