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Laboratory Practice 〈血液〉
血小板機能検査の標準化
著者: 佐藤金夫1
所属機関: 1山梨大学医学部臨床検査医学講座
ページ範囲:P.637 - P.639
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血栓症の治療には抗凝固療法や抗血小板療法が有効な手段となっている.抗凝固療法ではプロントロンビン時間-国際標準化比(prothrombin time-international normalization ratio,PT-INR)を指標としてワーファリンの薬効モニタリングが実施されているが,抗血小板療法では血小板機能検査を利用した薬効モニタリングの実施は一部の施設にとどまっている.そのため“どの程度まで血小板機能を低下させればよいのか”といった治療基準は設定されていない.近年,アスピリン治療に抵抗性を示す病態生理(アスピリンレジスタンス)が明らかとなり,この点でも抗血小板薬の薬効をモニタリングする必要性が増している.現在,血小板機能検査の結果を利用した抗血小板療法の治療基準やレジスタンスの診断基準は確立されていないが,その一因として施設ごとに異なるプロトコルで検査が実施されていることが挙げられる.そのため,血小板機能検査の標準化を進めてデータの共有化を図ることは,治療基準や診断基準の確立に大いに役立つと考える.
血栓症の治療には抗凝固療法や抗血小板療法が有効な手段となっている.抗凝固療法ではプロントロンビン時間-国際標準化比(prothrombin time-international normalization ratio,PT-INR)を指標としてワーファリンの薬効モニタリングが実施されているが,抗血小板療法では血小板機能検査を利用した薬効モニタリングの実施は一部の施設にとどまっている.そのため“どの程度まで血小板機能を低下させればよいのか”といった治療基準は設定されていない.近年,アスピリン治療に抵抗性を示す病態生理(アスピリンレジスタンス)が明らかとなり,この点でも抗血小板薬の薬効をモニタリングする必要性が増している.現在,血小板機能検査の結果を利用した抗血小板療法の治療基準やレジスタンスの診断基準は確立されていないが,その一因として施設ごとに異なるプロトコルで検査が実施されていることが挙げられる.そのため,血小板機能検査の標準化を進めてデータの共有化を図ることは,治療基準や診断基準の確立に大いに役立つと考える.
参考文献
1) Macchi L, Sorel N, Christiaens L. Aspirin resistanceu:udefinitions, mechanisms, prevalence, and clinical significance. Curr Pharm Des 12:251-258,2006
2) Nguyen TA, Diodati JG, Pharand C. Resistance to clopidogrelu:ua review of the evidence. J Am Coll Cardiol 45:1157-1164,2005
3) 佐藤金夫,清水美衣,小原さおり,他:アンケートに見る血小板凝集能検査測定法の現状―血小板凝集能検査の標準化に向けて.日本検査血液学会誌2008(in press)
4) Toshima H, et alu:uSpontaneous platelet aggregation in normal subject assessed by a laser light scattering methodu:uattempt standardization. Platelets. 2008 (in press)
5) 佐藤金夫:抗血小板療法における血小板凝集能検査を利用した薬効モニタリングの実際.日血栓止血会誌 17:424-429,2006
6) 日本臨床検査標準協議会:フローサイトメトリーによる末梢血リンパ球表面抗原検査に関するガイドライン(H1-P V2.0).日臨検標準会誌 15:123-136,2000
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