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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻7号

2008年07月発行

文献概要

復習のページ

新しい腎機能マーカー

著者: 要伸也1

所属機関: 1杏林大学医学部第一内科学教室

ページ範囲:P.668 - P.670

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[CKDとは何か?]

 最近,慢性腎臓病(chronic kidney disease,CKD)という新しい概念が注目されている.背景には末期腎不全を含む腎臓病患者の増加があるが,より重要なのは,たとえ軽度であっても慢性的な腎障害の存在が腎予後(腎機能悪化)のみならず,心血管疾患の発症ないし生命予後を予測することが確実になってきたことであろう.そして,このような問題意識のもと早期から慢性腎臓病の患者を把握し,対策を講じていく必要性が強調されている.

 さて,CKDは次のように定義される.すなわち,①腎機能低下がなくても検査上あるいは画像上3か月以上腎障害を認めるもの,②糸球体濾過量(glomerular filtration rate,GFR)の低下(60ml/分/1.73mm2以下)を認めるもの,である.このうち,①は従来の蛋白尿・血尿に相当するが,一般尿検査で陰性であっても,微量アルブミン尿が出ていれば該当することに注意する,②は従来の慢性腎不全に相当する.

参考文献

1) Berns JS, Fishbane Su:uChronic Kidney Disease and Progression. J Am Soc Nephrol 2007;6(6),NephSAP
2) 日本腎臓学会(編):CKD診療ガイド.東京医学社,2007
3) 松尾清一,他:日本腎臓学会プロジェクト「日本人のGFR推算式」

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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