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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻8号

2008年08月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈微生物〉

CLSI法による淋菌の感受性検査

著者: 幸福知己1

所属機関: 1兵庫県立尼崎病院検査・放射線部

ページ範囲:P.734 - P.737

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はじめに

 淋菌(Neisseria gonorrhoeae)はクラミジアに次いで性感染症(sexually transmitted diseases,STD)の原因として多い菌である.近年,淋菌の薬剤耐性化が問題となっており,わが国においてはペニシリン,テトラサイクリン(tetracycline,TC),キノロン薬耐性に加えて,経口セフェム薬耐性菌が増加している.

 日本性感染症学会の「性感染症診断・治療ガイドライン2006」1)では淋菌性尿道炎および淋菌性子宮頸管炎に対しては注射薬であるセフトリアキソン(ceftriaxone,CTRX),セフォジジム(cefodizime,CDZM),スペクチノマイシン(spectinomycin,SPCM)が推奨されている.これらの薬剤に対しては,現在のところ耐性菌は認められない.したがって,これらの薬剤が治療薬として使用される場合は薬剤感受性検査を実施する必要はないと思われる.しかし,実際の診療においては経口薬が使用されるケースが多く,検査室では正確な薬剤感受性検査の報告が必要である.

 そこで,本稿では淋菌の薬剤耐性化の現状およびCLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute,米国臨床検査標準協会)法による感受性検査について解説する.

参考文献

1) 日本性感染症学会(編):性感染症 診断・治療 ガイドライン2006.日本性感染症学会誌 17:35-39,2006
2) 松本哲朗:淋菌感染症.産科と婦人科 72:837-843,2005
3) 村谷哲郎,松本哲朗:淋菌感染症の現況と対策.化学療法の領域 21:1107-1112,2005
4) 幸福知己,折田環,木下承晧,他:淋菌に関する薬剤耐性菌調査成績―第5回目調査.第18回日本臨床微生物学会総会抄録集,2007
5) Clinical Laboratory Standards Institute:Performance Standards for Antimicrobial Susceptibility Testing. Eighteenth Informational Supplement, M100-S18,National Clinical Laboratory Standards Institute (formerly NCCLS), Pennsylvania,2008
6) Clinical Laboratory Standards Institute:Performance Standards for Antimicrobial Disk Susceptibility Tests, 9th edition. M2-A9, National Clinical Laboratory Standards Institute (formerly NCCLS), Pennsylvania,2008
7) Clinical Laboratory Standards Institute:Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically, 7th edition. M7-A7, National Clinical Laboratory Standards Institute (formerly NCCLS), Pennsylvania,2008
8) 上霜剛,幸福知己,木下承晧,他:淋菌の薬剤感受性検査に関する比較検討.第16回日本臨床微生物学会総会抄録集,2005
9) 河合明子:淋菌を対象とした薬剤感受性試験用液体培地の開発.第55回日本化学療法学会西日本支部総会抄録集,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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