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免疫測定法におけるHAMAの干渉
著者: 亀子光明1 北村弘文2
所属機関: 1長野市民病院診療技術部 2長野市民病院臨床検査科
ページ範囲:P.764 - P.766
文献購入ページに移動免疫学的方法を原理とする測定法では,被検血清中に存在する異好抗体(heterophile antibody,hAb)により偽陽性反応が起こり,測定結果が異常高値を示す場合がある.この作用機序は1986年Boscatoら1)により,ヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chorionic gonadotropin,hCG)測定系において報告されており,その干渉に関与する因子をantibody-binding substancesと表現している.
現在では,マウス免疫グロブリンに結合するhAbをヒト抗マウス抗体(human antimouse antibody,HAMA)と呼んでいる.
初期の腫瘍特異的抗体療法では,腫瘍細胞に対するマウスモノクロナール抗体(monoclonal antibody,mAb)を患者に繰り返し投与すると,その抗体は,マウス由来の異種蛋白であるため,高頻度でHAMAが出現し,それが原因でアナフィラキシーが多発したことが報告されている2).また,その治療を受けた患者血清では,サンドイッチ法による癌胎児性抗原(carcinoembryonic antigen,CEA)測定において,偽高値となることも報告されている3,4).本稿においては,免疫反応に及ぼすHAMAの影響やその回避法について述べる5,6).
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