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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻9号

2008年09月発行

文献概要

病気のはなし

急性膵炎

著者: 八島陽子1 伊佐山浩通1 八木岡浩1 有住俊彦1 外川修1 松原三郎1 平野賢二1 笹平直樹1 辻野武1 多田稔1 小俣政男1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院消化器内科

ページ範囲:P.782 - P.787

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サマリー

 急性膵炎の診断基準は,①腹痛,②膵酵素の上昇,③画像上の異常の3項目のうち二つを満たすものである(厚生労働省基準).急性膵炎と診断したら,速やかに厚生労働省の研究班の定めた判定基準に従って重症度判定を行い,重症度に応じた適切な治療を開始する必要がある.重症膵炎は「腹部の熱傷」に例えられるように全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome,SIRS)の病態であり,初期治療は大量輸液による循環動態確保が第一となり,集中治療室での管理を必要とするとも多く,いまだに致死率の高い病態である.急性期の多臓器不全および膵壊死の二つが重症化にかかわる重要な因子である.膵壊死から仮性嚢胞を生じた場合の長期管理も今後の課題である.一方,軽症急性膵炎の多くは短期間の入院で回復し社会復帰可能である.アルコールが原因の場合再発を繰り返すこともある.

参考文献

1) エビデンスに基づいた急性膵炎の診療ガイドライン第2版作成出版委員会(編):エビデンスに基づいた急性膵炎の診療ガイドライン第2版.金原出版,2007
2) 田中雅夫:膵仮性嚢胞の分類と治療方針.胆と膵 27:883-884,2006
3) 武田和憲:総論 急性膵炎をめぐる最近の動向.胆と膵 29:277-279,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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