検査と技術36巻9号

2008年09月発行

技術講座 生理

消化管超音波検査 その1：上腹部消化管

著者： 中村滋¹² 朝井均³⁴

所属機関： ¹長吉総合病院臨床検査科 ²近畿医療技術専門学校臨床検査科 ³春日野会病院 ⁴大阪教育大学

ページ範囲：P.805 - P.812

新しい知見

　腹部超音波検査は当初，肝臓や胆道あるいは腎臓といった，いわゆる実質臓器を主要な対象臓器としており，消化管についてはガスの存在などもあり避けられる傾向にあった．しかし，その後の超音波診断装置の目覚しい発展と超音波診断学の劇的な変化により，最近では一般病院ではもちろんのこと，人間ドックなど一般の検診部門の超音波検査領域でも，腹部スクリーニングに膀胱周辺の下腹部臓器はもちろん消化管を含めた超音波検査を実施する施設が増えている．したがって現在では，消化管を語らずして腹部超音波検査とはいえないようになりつつあるのが実情である．

参考文献

1) 朝井均(監)，中村滋(著)：エコ蔵じいさんの楽しい超音波診断Handy Text①：腹部，金芳堂，2006

2) 岩崎信広，岡部純弘：ステップアップ消化菅超音波検査，医歯薬出版，2006

3) 遠田栄一，長谷川雄一：消化管超音波検査―描出のコツと判読のポイント，医歯薬出版，2006

4) 関根智紀：新超音波検査消化菅，ベクトルコア，2006

5) 春間賢(編)，畠二郎，眞部紀明，他(著)：消化菅超音波診断ビジュアルテキスト，医学書院，2004