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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻9号

2008年09月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈病理●液状処理細胞診検査の新しい試み・1〉

総論と子宮体部

著者: 則松良明1 香田浩美2 能登原憲司2

所属機関: 1愛媛県立医療技術大学保健科学部臨床検査学科生体情報学講座 2倉敷中央病院病理検査科

ページ範囲:P.833 - P.835

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はじめに

 婦人科細胞診検体は通常臨床医が検体を採取し,臨床の現場でスライドガラスに塗抹固定をしたうえで,検査室へ提出される(以下,従来法).しかしながら,従来法では採取時~塗抹固定の工程で不適標本が20%程度あるとの報告もある1)

 液状処理細胞診(liquid based cytology,以下LBC法)とは採取した細胞を直接アルコールベースの固定液中に入れ,固定を完了してから塗抹する方法である.さらにLBCのなかでも標本作製時に薄層(シンレイヤー,thin layer)塗抹をして,標本を作製する方法が世界で広がりをみせている.わが国でもSurePathTM法〔BD社,米国/代理店:(株)医学生物学研究所〕とThinPrep(R)法〔ホロジック社,米国/代理店:(株)オリンパス〕の2法がLBC法による薄層塗抹法として紹介がされている2).どちらも一長一短があるが,本稿では以下,わが国で最も普及しているBD社のSurePathTM法を中心に述べることとする.

参考文献

1) 赤松節,姫路由香里,長澤優子,他:子宮頸がん検診標本の適否状況 Thinlayer法と従来法の比較.日臨細胞誌 44:63-68,2005
2) 齋藤深雪,長島義男:細胞診自動塗抹装置.Medical Technology 34:1622-1625,2006
3) National Institute for Clinical Excellence:Technology Appraisal Guidance 69 Guidance on the use of liquid-based cytology for cervical screening. http://www.nice.org.uk/nicemedia/pdf/TA69_LBC_review_FullGuidance.pdf
4) 奥原俊彦,河口幸博,内藤雅嗣,他:細胞診自動化に向けた標本作製の標準化.日臨細胞誌 40:187-192,2001
5) Karen M. Atkinson,内藤雅嗣:液状処理検体における標本作製手順.臨床検査 46:633-638,2002
6) Takahashi M, Naito M:Application of the CytoRich monolayer preparation system for cervical cytology. Acta Cytol 41:1785-1789,1997
7) 伊地知徹,下口幸夫,名取恒夫;細胞診断の自動化 ThinLayer標本による標準化.臨床病理レビュー 132:49-54,2005
8) 平井康夫(監訳):ベセスダシステム2001アトラス.シュプリンガージャパン,2007
9) Norimatsu Y, Kouda H, Kobayashi TK, et al:Utility of thin-layer preparations in the endometrial cytology:evaluation of benign endometrial lesions. Ann Diagn Pathol 12:103-111,2008
10) Norimatsu Y, Kouda H, Kobayashi TK, et al:E. Utility of Thin-Layer Preparations in the Endometrial Cytology:Diagnosis of Endometrial Carcinoma. Cytopathol. in press.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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