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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻9号

2008年09月発行

文献概要

けんさ質問箱

無症状の病原性大腸菌が検出された場合

著者: 寺嶋淳1

所属機関: 1国立感染症研究所 細菌第一部

ページ範囲:P.862 - P.864

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Q.無症状の病原性大腸菌が検出された場合

栄養科職員の定期的な便の細菌検査で,無症状であるにもかかわらず病原性大腸菌が検出された場合の対応と報告の仕方について教えてください.(東京都 F.I.生)


A.寺嶋 淳

はじめに

 「病原性大腸菌」といってもいくつかの種類があり,便から検出された病原性大腸菌の種類によって対応が異なってきます.そこでまず大腸菌にはどのような種類があり,それらをどのように分類しているのかを簡単に説明します.

 大腸菌はヒトや動物の腸管内常在菌の一つですので,健康人の糞便からも大腸菌は分離されます.ただし,大腸菌のなかには病原因子を獲得し,ヒトに下痢を惹起させるような病原性をもつ大腸菌も存在します.これらは下痢原性大腸菌と呼ばれ,それぞれの大腸菌の特徴的な発症機序や保有する病原因子によって主に下記のごとく分類することができます.ここでは混乱を避けるためにこれらの下痢原性大腸菌を病原性大腸菌と呼ぶことにします.

参考文献

1) 厚生労働省:食中毒・食品監視関連情報 http://www1.mhlw.go.jp/o-157/o157q_a/index.html#q47

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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