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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻1号

2009年01月発行

文献概要

病気のはなし

全身性炎症反応症候群

著者: 岡嶋研二1 趙娟1 成松紀子1 原田直明1

所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科展開医科学分野

ページ範囲:P.6 - P.9

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サマリー

 全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome,SIRS)とは,侵害刺激を受けた宿主の生体反応の一つで,sepsisとその関連病態の定義を統一するために提唱された病態概念である.具体的には,体温,心拍数,呼吸数,および末梢血白血球数のうち,2項目以上に異常が認められる場合がSIRSと診断される.すなわち,感染に起因するSIRSがsepsisと定義される.しかしながら,邦語の敗血症は菌血症を伴う重症感染症を意味しており,sepsisを敗血症と直接訳すことは混乱を生ずる場合がある.SIRSの病態概念が導入されることで,重症感染症の臨床治験における対象症例の重症度の評価がより客観的に行えること,また,感染症症例のなかでも重症化しやすいものの把握が客観的に行えるようになるなどのメリットが得られた.

参考文献

1) Okajima K:Regulation of inflammatory responses by natural anticoagulants. Immunol Rev 184:258-274,2001
2) Okajima K, Harada N, Sakurai G, et al:Rapid assay for plasma soluble E-selectin predicts the development of acute respiratory distress syndrome in patients with systemic inflammatory response syndrome. Transl Res 148:295-300,2006
3) Harada N, Okajima K, Kurihara H, et al:Stimulation of sensory neurons by capsaicin increases tissue levels of IGF-I, thereby reducing reperfusion-induced apoptosis in mice. Neuropharmacology 52:1303-1311,2007
4) Russell JA:Management of sepsis. N Engl J Med 355:1699-1713,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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