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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻1号

2009年01月発行

文献概要

技術講座 生理

甲状腺の超音波検査

著者: 小柳紀子1 高梨昇2

所属機関: 1東海大学医学部付属病院臨床検査技術科 2東海大学八王子病院中央臨床検査科

ページ範囲:P.25 - P.31

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新しい知見

 超音波検査は,Bモード法で甲状腺内の腫瘤の有無,腫瘤の性状,甲状腺実質の変化を観察し,時にドプラを併用して超音波診断を行っている.癌では腫瘤が硬く触れることから,触診で腫瘤の硬さを主観的に評価していた.しかし,最近になり超音波診断装置で組織の硬さをカラー表示化したエラストグラフィーが開発され,腫瘤の硬さを客観的に表示することが可能となった.当初は乳腺疾患の診断に用いられ有用性が実証されているが,甲状腺疾患においてもエラストグラフィーによる腫瘤の硬さの評価とBモード画像を総合的に評価することで,精度の向上が期待されている.特に濾胞癌と濾胞腺腫の鑑別に期待が寄せられている.

参考文献

1) 高梨昇:甲状腺・唾液腺アトラス,ベクトルコア,2004
2) 東海大学病院超音波検査室(編):乳房・甲状腺・その他の体表臓器編,東海大学出版会,1997
3) 小西淳二:甲状腺・頸部の超音波診断 第2版,金芳堂,2005
4) 鈴木眞一,福島俊彦,阿美弘文,他:最近の甲状腺疾患診断における諸問題.外科 68:745-753,2006
5) 浜田昇:甲状腺疾患診療パーフェクトガイド.診断と治療社,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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