icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻1号

2009年01月発行

文献概要

目指せ!一般検査の精度向上

―検出を高める寄生虫検査のポイント:1―検体の取り扱いと検査の進め方

著者: 野崎司1 伊藤機一2

所属機関: 1東海大学医学部付属大磯病院中央臨床検査科 2大東文化大学スポーツ・健康科学部

ページ範囲:P.40 - P.44

文献購入ページに移動
はじめに

 寄生虫の感染は,虫体そのもの,あるいは幼虫,虫卵,原虫の栄養型,囊子あるいはオーシスト(oocyst;卵囊子)などの存在をもって証明される.寄生虫によってその寄生部位が異なることから,どのような検査をするかを熟知しておくことが大切であり,診断の早道になる.

 現在,わが国の寄生虫症は回虫,鉤虫,鞭虫など従来からある古典的寄生虫症に加え,人獣共通寄生虫症,輸入寄生虫症,幼虫移行症など多様化しているのが特徴である.したがって,検査を誤れば,結果として診断,治療も誤ることになり,最悪の場合には不幸な転帰をたどることにもなる.検査に当たっては十分な技術の習得に努めるとともに,慎重に実施しなければならない.また,成虫や幼虫が臓器や組織内に寄生した場合,通常の検査では検出が不可能なことも多く,免疫学的方法,分子生物学的手法を取り入れた検査法,そのほか,特殊な検査法を必要とすることもある.

 本稿では近年の寄生虫事情を踏まえ,検体の取扱いと検査の進め方について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?