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目指せ!一般検査の精度向上
―検出を高める寄生虫検査のポイント:1―検体の取り扱いと検査の進め方
著者: 野崎司1 伊藤機一2
所属機関: 1東海大学医学部付属大磯病院中央臨床検査科 2大東文化大学スポーツ・健康科学部
ページ範囲:P.40 - P.44
文献購入ページに移動寄生虫の感染は,虫体そのもの,あるいは幼虫,虫卵,原虫の栄養型,囊子あるいはオーシスト(oocyst;卵囊子)などの存在をもって証明される.寄生虫によってその寄生部位が異なることから,どのような検査をするかを熟知しておくことが大切であり,診断の早道になる.
現在,わが国の寄生虫症は回虫,鉤虫,鞭虫など従来からある古典的寄生虫症に加え,人獣共通寄生虫症,輸入寄生虫症,幼虫移行症など多様化しているのが特徴である.したがって,検査を誤れば,結果として診断,治療も誤ることになり,最悪の場合には不幸な転帰をたどることにもなる.検査に当たっては十分な技術の習得に努めるとともに,慎重に実施しなければならない.また,成虫や幼虫が臓器や組織内に寄生した場合,通常の検査では検出が不可能なことも多く,免疫学的方法,分子生物学的手法を取り入れた検査法,そのほか,特殊な検査法を必要とすることもある.
本稿では近年の寄生虫事情を踏まえ,検体の取扱いと検査の進め方について述べる.
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