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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻10号

2009年09月発行

文献概要

増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学 II 微生物検査 総論 3 検体保存による塗抹所見への影響

検体保存による塗抹所見への影響

著者: 石垣しのぶ1 川上小夜子1 指田陽子1 厚川喜子1 斧康雄2 宮澤幸久1

所属機関: 1帝京大学医学部附属病院中央検査部 2帝京大学医学部微生物学講座

ページ範囲:P.913 - P.915

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はじめに

 塗抹検査は,起因微生物を迅速に推定し,適正な抗菌薬治療を開始するために有用な感染症診断検査である.操作が簡単で短時間で結果が得られることから,近年,感染症の迅速検査として再評価され1),臨床の現場や夜間当直の時間帯にも導入され始めている.しかし,的確な診断を行うためには,基本となる好中球寿命や細菌の種類による特性の違いを理解したうえで,感染症の有無や病態を正しく判断することが必要となる.

 塗抹標本は,良質な検体を用いて,提出された検体の品質が変性する前に作製すべきであるが,すぐに実施できない場合には4°Cで保存するのが一般的である2).しかし,保存中の検体の変化についてはあまり知られていない.

 本稿では,喀痰中の好中球と細菌の経時的変化について解析し,検体の保存による塗抹所見への影響について述べる.

参考文献

1) 斧 康雄,川上小夜子:シリーズ・症例から学ぶ起因微生物へのアプローチ―Gram stain.感染と抗菌薬10(1)~12(2):2007-2009,ヴァン メディカル
2) 小栗豊子:臨床微生物検査ハンドブック.三輪書店,2000
3) 菅野治重,川上小夜子(監修):感染症診断に必要な微生物検査.ライフ・サイエンス,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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