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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻10号

2009年09月発行

文献概要

増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学 II 微生物検査 総論 4 感染所見の読み方

2 感染症の病期の所見

著者: 相原雅典1

所属機関: 1医療法人社団徳風会髙根病院検査部

ページ範囲:P.919 - P.921

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はじめに

 細菌や真菌による感染は外界と接する粘膜面で成立するが,多くの粘膜面には先住の常在細菌叢があり,外来菌はまずその常在菌叢内で縄張りを獲得する必要がある.めでたく粘膜面で繁殖できた時点で感染は成立するが,今度はさまざまな生体の感染防護機構の集中砲火を浴び,その戦いに勝って初めて感染症(原発病巣形成)の成立をみる.生体の感染防護機構が破綻すると,病巣は悪化・拡大する(急性期)が,時には好中球などの細胞内に侵入した菌が血流に乗り(初期菌血症)他の臓器に運ばれ,そこで二次病巣(転移病巣)を形成することがある.いずれの病期においても抗菌薬治療が奏効すれば症状は暫時改善(治癒期)するが,無効であれば症状は悪化または遷延(持続型感染)する.人体内で起きる感染から発症,治癒に至る経過は,病巣内を観察できればある程度把握できるが,グラム(Gram)染色標本の鏡検はそのためのツールとしても最適である.

参考文献

1) 相原雅典:呼吸器感染症.菅野治重,川上小夜子(監修):感染症診断に必要な微生物検査.ライフサイエンス,pp6-20,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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