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増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学 II 微生物検査 総論 6 培養検査が必要な感染症
培養検査が必要な感染症
著者: 川上小夜子1 斧康雄2 宮澤幸久1
所属機関: 1帝京大学医学部附属病院中央検査部 2帝京大学医学部微生物学講座
ページ範囲:P.931 - P.934
文献購入ページに移動日本人の寿命は,上下水道等環境の整備や公衆衛生思想の発達,新規抗菌薬の開発,総合的医療技術の進歩などにより,1970年代以降伸び続けている.それに伴い,わが国の感染症は,強毒菌感染症から易感染患者における平素無害菌(弱毒菌)による日和見感染症へと変遷した.
微生物検査室の業務内容は,病原菌培養検査を中心に実施していた時代から,感染症の有無を迅速に鑑別し,起因微生物を的確に推定する内容へと高度な技術変化が求められている.
筆者らは,最初に感染病巣の塗抹鏡検を実施し,所見に応じて①塗抹所見だけで有意な感染情報が得られる検体,②抗原検査や他の染色法を追加する必要のある検体,③培養検査を実施する検体に分類し,病態ごとに適切な検査法を実施することを提案している1~3).
本稿では,主に培養検査法について概説する.
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