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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻10号

2009年09月発行

文献概要

増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学 II 微生物検査 各論 1 感染症と顕微鏡検査の所見

1 呼吸器感染症

著者: 相原雅典1

所属機関: 1医療法人社団徳風会髙根病院検査部

ページ範囲:P.935 - P.939

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はじめに

 患者から採取された検体がホットな病巣から得られたものであれば,その検体で作製した標本中には患者病態と関連深いさまざまな物質や現象が認められる.したがって,塗抹標本の顕微鏡検査は,感染症検査の専門家がみずからの肉眼で患者病巣を観察できる唯一のチャンスであり,患者病態解明に不可欠な検査として見直されるべきである.患者病態解明のための情報を得る前提として,まず検体品質の評価が不可欠となる.次に細菌や真菌による感染症を疑う所見があるかないかを判断し,感染所見がある場合にはその感染が起きた機序や,どのような特徴を持った感染像なのかを調べ,最後に感染菌は何か,という目標にたどり着く.

 本稿では下気道・肺感染症に絞り,塗抹標本の鏡検で得るべき所見について記述する.

参考文献

1) 相原雅典:呼吸器感染症.菅野治重,川上小夜子(監修):感染症診断に必要な微生物検査.ライフサイエンス,pp6-20,2003
2) 相原雅典,菅野治重,久保勢津子,他:下気道感染症病原体診断のための顕微鏡検査による喀痰塗抹標本の所見のとり方と臨床的有用性の検証.投稿中
3) Geckler RW, Gremillion DH, McAllister CK, et al:Microscopic and bacteriological comparison of paired sputa and transtracheal aspirates. J Clin Microbiol6:396-399,1977
4) Miller DL, Jones R:A study of techniques for the examination of sputum in a field survey of chronic bronchitis. Am Rev Respir Dis88:473-483,1963
5) Morin S, Tetrault J, James L, et al:Specimen acceptability;Evaluation of specimen quality. Isenberg HD (ed):Clinical Microbiology Procedure Handbook, vol.1. ASM Press, Washington DC,pp1-6,1992
6) Marik PE:Aspiration pneumonitis and aspiration pneumonia. N Engl J Med344:665-671,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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