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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻10号

2009年09月発行

文献概要

増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学 II 微生物検査 各論 1 感染症と顕微鏡検査の所見

5 皮膚・軟部組織感染症

著者: 川村千鶴子1 北村英夫2 渡邉邦友3

所属機関: 1青森県立中央病院臨床検査部 2青森県立中央病院皮膚科 3岐阜大学生命科学総合研究センター嫌気性菌研究分野

ページ範囲:P.955 - P.962

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はじめに

 皮膚・軟部組織の構成は,表皮,真皮,皮下脂肪,筋膜からなり(図1)1),これらにかかわる感染症は皮膚科のみならず各診療科にわたる.皮膚科では細菌による皮膚・軟部組織感染症は膿皮症と壊死性筋膜炎として分類されている.膿皮症は急性膿皮症と慢性膿皮症に分類される.急性膿皮症は毛囊に関係するものと無関係のものがある.前者は毛囊炎(毛包炎),せつ,癰で,後者は伝染性膿痂疹(水疱性,痂皮性),ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群,化膿性汗腺炎,丹毒,蜂窩織炎などがある.慢性膿皮症は臀部,頭部,後部に多発する.そして,壊死性筋膜炎は最重症の皮膚・軟部組織感染症である.急性膿皮症では黄色ブドウ球菌とA群連鎖球菌などが,慢性膿皮症や壊死性筋膜炎では通性グラム陰性菌や嫌気性菌も重要となる2).真菌,ウイルス,寄生虫などの微生物が関与する疾患もある.

参考文献

1) Saurat JH, Grosshans E, Laugier P, et al (eds):Dermatologie et Vénéréologie, 2nd ed, Editions Masson, Issy les Moulineaux,p109,1990
2) 山口 徹,北原三夫,福井次矢(総編集):今日の治療指針.医学書院,2006
3) 神崎寛子:微生物培養検査のサンプリング―少量の常在菌を含む検体.臨床検査44:507-510,2000
4) 多田譲治,秋山尚範,荒田次郎:微生物検査における患者検体の採取法―皮膚・軟部組織感染症.臨床と微生物27(3):51-57,2000
5) 吉田眞一,柳 雄介,吉開泰信(編):戸田新細菌学.南山堂,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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