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増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学 II 微生物検査 各論 1 感染症と顕微鏡検査の所見
5 皮膚・軟部組織感染症
著者: 川村千鶴子1 北村英夫2 渡邉邦友3
所属機関: 1青森県立中央病院臨床検査部 2青森県立中央病院皮膚科 3岐阜大学生命科学総合研究センター嫌気性菌研究分野
ページ範囲:P.955 - P.962
文献購入ページに移動皮膚・軟部組織の構成は,表皮,真皮,皮下脂肪,筋膜からなり(図1)1),これらにかかわる感染症は皮膚科のみならず各診療科にわたる.皮膚科では細菌による皮膚・軟部組織感染症は膿皮症と壊死性筋膜炎として分類されている.膿皮症は急性膿皮症と慢性膿皮症に分類される.急性膿皮症は毛囊に関係するものと無関係のものがある.前者は毛囊炎(毛包炎),せつ,癰で,後者は伝染性膿痂疹(水疱性,痂皮性),ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群,化膿性汗腺炎,丹毒,蜂窩織炎などがある.慢性膿皮症は臀部,頭部,後部に多発する.そして,壊死性筋膜炎は最重症の皮膚・軟部組織感染症である.急性膿皮症では黄色ブドウ球菌とA群連鎖球菌などが,慢性膿皮症や壊死性筋膜炎では通性グラム陰性菌や嫌気性菌も重要となる2).真菌,ウイルス,寄生虫などの微生物が関与する疾患もある.
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