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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻10号

2009年09月発行

文献概要

増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学 IV 血液像 総論 2 標本の作製と保存

1 末梢血液の採取と標本作製

著者: 東克巳1

所属機関: 1杏林大学大学院保健学研究科

ページ範囲:P.1065 - P.1067

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はじめに

 血液形態検査は1枚の血液塗抹標本で種々血液疾患診断に直結する場合も多く,重要な検査の一つである.また,本検査の標本作製に必要な血液検体量はたかだか全血5μlという微量さである.現在行われている臨床検査のなかで,5μlという微量の血液検体量を用いて得られる情報量としては本検査に匹敵するものはない.

 熟練者はこの末梢血塗抹標本から白血球,血小板の概数,貧血や血栓症の有無やマラリアなど寄生虫感染の有無などの情報を得ることができる.また,後述する骨髄標本であれば,白血病など造血器悪性腫瘍や特発性血小板減少性紫斑病などの診断はもちろんのこと,脂質代謝異常などに結びつく重要な情報を得ることができる.

 これらの情報は適切に採取された末梢血液により,適切に作製された塗抹標本と適切な染色が施されていなければその情報量は半減もするし,場合によっては診断を誤らせる結果にもなりかねない.

 本稿では末梢血液の採取と標本作製について概説する.

参考文献

1) 日本臨床検査標準協議会(JCCLS):標準採血法ガイドライン.日本臨床検査標準協議会(JCCLS),2006
2) 奈良信雄,小山高敏,東 克巳,他:血液検査学,第2版.医歯薬出版,2009
3) 金井正光(編):臨床検査法提要,第32版.金原出版,2005
4) 日本検査血液学会(編):スタンダード検査血液学,第2版.医歯薬出版,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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