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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻10号

2009年09月発行

文献概要

増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学 IV 血液像 総論 3 染色法の原理と特徴

1 普通染色

著者: 常名政弘1 小池由佳子1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1073 - P.1075

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はじめに

 血液細胞の分類および観察を行う基本的な染色法として,普通染色が用いられている.普通染色はロマノフスキー(Romanowsky)染色と総称され,単染色として核をよく染めるギムザ(Giemsa)染色,細胞質と顆粒をよく染めるライト(Wright)染色があり,さらにそれぞれの特徴を合わせたライト・ギムザ(Wright-Giemsa)染色とメイ・グリュンワルド・ギムザ(May-Grunwald-Giemsa)染色の二重染色が広く用いられている1)

 実際に細胞を鏡検する際は,各種細胞の特徴,すなわち細胞の大きさ,核型,核網構造,核小体の有無,細胞質の広さや色調,顆粒の有無などを観察し細胞を鑑別する必要がある.一方,核や細胞質の色調,核網構造などの形態学的所見は,染色性に作用されやすく,染色不良により,時には細胞分類を誤ることもあり,染色の原理や細胞の染色性の特徴を理解することは重要である.

 本稿では,普通染色の原理と特徴,そして染色上の諸条件による影響について解説し,実際の染色手技については割愛する.

参考文献

1) 渡辺明朗:血液カラーアトラス.武藤化学,pp71-76,2001
2) 柴田進:図解血液病学,改訂3版.金芳堂,pp4-18,1996
3) 大畑雅彦,重田英夫:リンパ系腫瘍鑑別と塗抹標本観察上の問題点.日本検査血液学会雑誌3:85-94,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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