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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻10号

2009年09月発行

文献概要

増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学 IV 血液像 各論 3 造血器腫瘍のWHO分類

1 FABからWHO分類へ

著者: 矢冨裕1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科臨床検査医学

ページ範囲:P.1101 - P.1103

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1 FAB分類からWHO分類への転換

 造血器腫瘍は大きく白血病と悪性リンパ腫に分けられるが,いずれも造血幹細胞から分化する血液細胞の腫瘍である.その疾患分類は造血器腫瘍の診療に携わるものの共通の土俵として,診断・治療の比較・標準化において極めて重要なものである.

 この観点で,これまで急性白血病(表1),さらには骨髄異形成症の分類の中心は長らくFrench-American-British(FAB)分類であった.1975年に発表されたこの分類は形態学中心の分類であり,容易に活用でき,その臨床的有用性は広く認められてきた.しかし,その後,爆発的といってよいほどに分子細胞生物学的手法を用いた造血器腫瘍細胞の性状解析に関する研究が進んだ.その成果は,当然ながら当初のFAB分類には反映されていない.その後のFAB分類の改訂では,細胞表面マーカー,電顕所見などが加わったが,形態学中心のFAB分類の理念からくる限界もあり,病因に基づいた新しい白血病分類法が望まれていた.

参考文献

1) Jaffe ES, Harris NL, Stein H, et al:World Health Organization Classification of Tumours;Pathology and genetics of tumours of haematopoietic and lymphoid tissues. IARC Press, Lyon,2001
2) Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, et al:WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues. IARC Press, Lyon,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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