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文献概要
増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学 IV 血液像 各論 3 造血器腫瘍のWHO分類
3 骨髄異形成症候群
著者: 通山薫1
所属機関: 1川崎医科大学検査診断学
ページ範囲:P.1108 - P.1111
文献購入ページに移動1 骨髄異形成症候群(MDS)とは?
骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome,MDS)とは,骨髄中の造血幹細胞に生じた異常クローンが増殖と分化を繰り返しながら正常造血に置き換わった結果として発症する後天性造血障害である.一般に原因不明で,骨髄細胞は一見保たれているが,無効造血のために慢性・治療抵抗性の貧血・血球減少をきたし,しばしば骨髄不全に陥る.さらに急性骨髄性白血病へ移行しやすい潜在的悪性性格を併せもつ予後不良の骨髄疾患である.各血球系には種々の異形成像がみられる.中高年齢者に好発し,男女比は約2:1である.
病型分類はFrench-American-British(FAB)分類(1982年)1)からWHO分類2001年版2),さらにWHO分類2008年版3)と変遷してきた.2008年版を表1に示した.なお,骨髄または末梢血中の骨髄芽球比率が20%以上になると,定義上急性骨髄性白血病のカテゴリーに入る.
骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome,MDS)とは,骨髄中の造血幹細胞に生じた異常クローンが増殖と分化を繰り返しながら正常造血に置き換わった結果として発症する後天性造血障害である.一般に原因不明で,骨髄細胞は一見保たれているが,無効造血のために慢性・治療抵抗性の貧血・血球減少をきたし,しばしば骨髄不全に陥る.さらに急性骨髄性白血病へ移行しやすい潜在的悪性性格を併せもつ予後不良の骨髄疾患である.各血球系には種々の異形成像がみられる.中高年齢者に好発し,男女比は約2:1である.
病型分類はFrench-American-British(FAB)分類(1982年)1)からWHO分類2001年版2),さらにWHO分類2008年版3)と変遷してきた.2008年版を表1に示した.なお,骨髄または末梢血中の骨髄芽球比率が20%以上になると,定義上急性骨髄性白血病のカテゴリーに入る.
参考文献
1) Bennett JM, Catovsky D, Daniel MT, et al:Proposals for the classification of the myelodysplastic syndromes. Brit J Haematol51:189-199,1982
2) 通山 薫:骨髄異形成症候群.木崎昌弘,押味和夫(編):新WHO分類による白血病・リンパ系腫瘍の病態学.中外医学社,pp51-63,2004
3) Brunning RD, Orazi A, Germing U, et al:Myelodysplastic syndromes. Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, et al (eds):WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues. IARC Press, Lyon,pp87-107,2008
4) 朝長万左男,松田 晃(編):不応性貧血(骨髄異形成症候群)の形態学的異形成に基づく診断確度区分と形態診断アトラス.厚生労働科学研究・特発性造血障害調査研究班平成19年度研究,2008(日本検査血液学会ホームページからダウンロード可能)
5) Greenberg P, Cox C, LeBeau MM, et al:International scoring system for evaluating prognosis in myelodysplastic syndromes. Blood89:2079-2088,1997
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