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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻10号

2009年09月発行

文献概要

増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学 IV 血液像 各論 3 造血器腫瘍のWHO分類

6 成熟B細胞腫瘍

著者: 東田修二1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科臨床検査医学

ページ範囲:P.1121 - P.1123

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1 成熟B細胞腫瘍の分類

 成熟B細胞腫瘍には, 表1に示すように種々のB細胞性リンパ腫(リンパ芽球性リンパ腫を除く),骨髄腫,慢性リンパ性白血病などが含まれる.39種の疾患単位からなり,すべてを理解することは困難であるため,日常診療で遭遇する可能性の高い疾患のみを挙げる.腫瘍細胞の形態観察には,慢性リンパ性白血病などでは血液塗抹標本で可能であるが,骨髄腫では骨髄塗抹標本が必要である.多くのリンパ腫症例ではリンパ節生検が行われるが,検体の病理組織標本だけでなく,スタンプ標本も作製することが望ましい.検体(血液,骨髄液,リンパ節などの生検検体の細胞浮遊液)は“BおよびT前駆細胞の腫瘍”の項で記載したのと同様に,フローサイトメトリーと染色体検査も行う.細胞表面抗原の発現パターンや染色体所見は,分類するうえで重要な情報となる.分裂像が得られずに染色体検査ができなかった場合にはFISH(fluorescence in situ hybridization)法などによる遺伝子検査を追加する.濾胞性リンパ腫,マントル細胞リンパ腫,マクログロブリン血症では多数の腫瘍細胞が血液標本でみられる症例があり,細胞形態やフローサイトメトリー所見によって,慢性リンパ性白血病と鑑別する必要がある1)

参考文献

1) 田中由美子,権藤和美,坂入和豊,他:B細胞性リンパ系腫瘍の末梢血塗抹検査における判定困難な細胞の要因と鑑別法.日本検査血液学会雑誌5:64-69,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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