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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻10号

2009年09月発行

増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学

V 細胞診 総論 1 基礎知識

1 細胞所見とその表現

著者: 古田則行1

所属機関: 1癌研究会有明病院付設細胞検査士養成所

ページ範囲:P.1128 - P.1130

文献概要

はじめに

 細胞診には大別して二つの目的がある.一つは“スクリーニング”と呼ばれているもので,いわゆる“はく離細胞診”である.これは婦人科子宮頸部擦過スメアや,喀痰,尿などが検体となり,細胞診標本の中から,癌細胞や異型細胞を見つけだすことを目的とする.もう一つは“同定”と呼ばれているもので,腫瘍性病変から針穿刺などで細胞を採取し,細胞診標本中の細胞が良性か悪性か,さらに腫瘍名を判定することを目的とする.

 細胞診の目的により対象となる細胞は異なるが,細胞診で見つけだす細胞,同定・判定すべき細胞はいずれも“正常ではない細胞”,“異常細胞”である.ここでは“異常細胞”の細胞所見について取り上げる.

 異常細胞,すなわち異型細胞,癌細胞の細胞所見は,正常細胞を基準とし,正常細胞との違い,隔たりを“細胞所見”として表現している.また,腫瘍性病変では扁平上皮癌細胞の表現に“ヘビ状”,“オタマジャクシ状”といった細胞診独特の表現もあり,これらについても触れる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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