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増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学 V 細胞診 各論 2 呼吸器
2 気管支擦過
著者: 三宅真司1 松林純1 長尾俊孝1
所属機関: 1東京医科大学病院病理診断部
ページ範囲:P.1175 - P.1177
文献購入ページに移動気管支擦過細胞診は,現在では生検による組織診とともに肺癌の確定診断に極めて有用な検査法の一つになっている.その検体採取方法としては2通りあり,気管支鏡にて可視範囲にある太い気管支(中枢型)病変の場合には,直視下に病巣を確認し,ブラシにて細胞を採取する.一方,細い気管支(末梢型)病変の場合には,X線透視下にテレビコントロールにて病巣を擦過する.
一般的な標本作製方法としては,ブラシに付着した細胞をスライドガラス上に塗抹し,速やかにスプレー式の固定もしくはアルコール液に湿潤固定したのち,パパニコロウ(Papanicolaou)染色を行う.細胞を塗抹する際には,乾燥による細胞変性を防ぐことが重要になる.
気管支擦過では新鮮な細胞が採取され,喀痰とは異なった細胞像を呈するため,それに応じた細胞像の見方が必要になってくる.本稿では,気管支擦過標本にみられる細胞像を,正常細胞,良性病変由来の細胞,そして代表的な悪性腫瘍の細胞の順に解説する.
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