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増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学 VI 病理 総論
3 染色法
著者: 牛島友則1 竹田桂子1
所属機関: 1NTT東日本関東病院病理診断部
ページ範囲:P.1215 - P.1220
文献購入ページに移動はじめに
病理組織標本作製において染色の果たす役割は非常に大きい.染色結果には,組織採取から薄切に至る過程の種々の要因が複雑に関与しあっており,染色作業に由来する要因のみが影響するわけでなく,各工程における使用機器を含めた精度管理が大切である.これらの環境を整えることが,正しい顕微鏡所見をとらえるうえで不可欠な要因であることを理解し,染色業務を行うべきである.
今回は,ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色をはじめ,いくつかの代表的な染色方法および病理標本を用いた特殊な検索方法について簡単に述べ,これらが実際の症例でどのように用いられるのか具体的に提示する.詳細な染色法の手順などは成書を参考にしていただきたい1~4).
病理組織標本作製において染色の果たす役割は非常に大きい.染色結果には,組織採取から薄切に至る過程の種々の要因が複雑に関与しあっており,染色作業に由来する要因のみが影響するわけでなく,各工程における使用機器を含めた精度管理が大切である.これらの環境を整えることが,正しい顕微鏡所見をとらえるうえで不可欠な要因であることを理解し,染色業務を行うべきである.
今回は,ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色をはじめ,いくつかの代表的な染色方法および病理標本を用いた特殊な検索方法について簡単に述べ,これらが実際の症例でどのように用いられるのか具体的に提示する.詳細な染色法の手順などは成書を参考にしていただきたい1~4).
参考文献
1) 月刊Medical Technology編集委員会(編):新染色法のすべて.医歯薬出版,pp3-5,1999
2) 検査と技術編集委員会(編):病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス.検査と技術29(7):640-650,2001
3) 由谷親夫:心臓血管病理アトラス.文光堂,pp49-58,2002
4) 石原得博,星井嘉信,崔 丹:アミロイドーシスなどの沈着物質による組織構築障害.病理と臨床21:1241-1244,2003
5) 検査と技術編集委員会(編):病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス.検査と技術29(7):777-779,2001
6) 中野雅行:肝生検の基本的な見方.病理と臨床23:235-239,2005
7) Wan JH:Monoclonality in B cell lymphoma detected in paraffin wax embedded sections using the polymerase chain reaction. J Clin Pathol43:888-890,1994
8) 浅香正博:H. pylory感染の診断と治療のガイドライン2003年改訂版.Medical Technology32:782-785,2004
9) 管野祐幸:EBウイルスとリンパ系腫瘍―血液疾患.別冊医学のあゆみ,Ver.2.医歯薬出版,pp137-139,1998
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