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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻10号

2009年09月発行

文献概要

増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学 VI 病理 総論

4 免疫組織化学

著者: 鎌田孝一1 中村勝1 安田政実1

所属機関: 1埼玉医科大学国際医療センター病理診断科

ページ範囲:P.1221 - P.1226

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はじめに

 免疫組織化学は,抗原抗体反応の特異性に基づいて組織中の物質を同定する方法である.今日の病理検査では免疫組織化学は病理診断の補助的方法にとどまることなく,診断の確定,予後の推定や分子標的物質の局在と治療効果の判定など診療の場に重要な方法となっている.単に“染まった”,“染まらない”といった定性的観察ではなく,ハーセプテストなどでは染色強度,細胞数,分布など半定量的な評価が不可欠となっている.そのため,免疫組織化学の精度管理は,病理検査の重要課題となっている.

 本稿では,免疫組織化学の結果に影響する事象を中心に,最適な染色態度を得るための「子細・工夫」について説明する.

参考文献

1) 堤 寛,鴨志田伸吾:病理医に必要なワンポイント病理技術「免疫染色のコツ」.病理と臨床23:83-88,2005
2) 梅村しのぶ:固定法および抗原賦活法.日本組織細胞化学会(編):組織細胞化学2008.学際企画,pp13-23,2008
3) 後藤義也,安田政実:免疫組織化学染色のトラブルシューティング―薄切切片再固定法の有用性.病理技術72:18-19,2009
4) 濱川真治:ホルマリン固定パラフィン包埋薄切切片を用いた酵素抗体法における内因性ペルオキシダーゼ活性阻止操作の影響について―CD4抗原検索の落とし穴.病理と臨床17:843-844,1999
5) 櫻井博文,小林明子,亀子光明,他:アビジンビオチンを利用した免疫組織化学的染色における抗原賦活のための熱処理による影響.病理と臨床19:1257-1261,2001
6) Chan JK, Wong CS, Ku WT, et al:Reflections on the use of controls in immunohistochemistry and proposal for application of a multitissue spring-roll control block. Ann Diagn Pathol4:329-336,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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