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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻10号

2009年09月発行

文献概要

増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学 VI 病理 各論 5 腫瘍

3 上皮性腫瘍(癌腫)と非上皮性腫瘍(肉腫)

著者: 村田哲也1

所属機関: 1JA三重厚生連鈴鹿中央総合病院病理診断科

ページ範囲:P.1256 - P.1260

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1 上皮性腫瘍と非上皮性腫瘍

 上皮とは,生体の表面にあって外界と接している細胞である.皮膚の表皮細胞がわかりやすい例であるが,消化管や呼吸器,泌尿器や生殖器も外界と体内で接しており,ここでも最表面には上皮細胞が存在している.

 上皮細胞は機能と形態から扁平上皮細胞,腺上皮細胞(円柱上皮・立方上皮など),尿路上皮細胞(移行上皮細胞)の大きく三つに分類される.扁平上皮は表皮のほか,口腔から食道や腟などに存在し,尿路上皮はその字のごとく腎盂から尿道までの尿路に存在する.腺上皮は分泌や吸収に関与し,また分泌物を内腔まで排出する導管にもみられる.

 一方,非上皮細胞は,上皮細胞以外のすべての細胞を指すため,多種多様である.線維芽細胞,骨細胞,軟骨細胞,血管細胞(血管内皮細胞),脂肪細胞,神経細胞,造血細胞,免疫担当細胞などが非上皮細胞に含まれる.

参考文献

1) Murata T, Soga T, Tajima K, et al:Sarcomatoid carcinoma of the urinary tract. Pathol Internatl44:138-144,1994
2) 深山正久(編):がんプロフェッショナル養成講座―腫瘍病理学.文光堂,2008
3) Christopher DM, Fletcher K, Unni K, et al (eds):World Health Organization Classification of Tumours;Pathology & genetics―Tumours of soft tissue and bone. IARC,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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