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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻10号

2009年09月発行

文献概要

COLUMN―形態検査において知っておきたいこと

自動分析装置と尿沈渣検査

著者: 伊瀬恵子1

所属機関: 1千葉大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1018 - P.1018

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 尿沈渣検査は,煩雑で測定者の個人差や施設間差の大きい検査といわれ自動化が遅れていたが,近年,省力化を目的とした自動分析装置が登場してきた.測定原理は,画像認識型とフローサイトメトリーでスキャッタグラム解析するタイプに大別され,いずれも遠心を必要としない.分類項目は,赤血球と白血球,細菌,上皮細胞,円柱で,画像認識型では画像を編集することで沈渣成分の分類が可能である.しかし,多様な形態を示す尿沈渣検査を自動分析装置で行うことには限度がある.特に,分析に使用される原尿の量が微量であるため,わずかな異型細胞やシスチン結晶など異常成分の検出には限界がある.そこで,それぞれの自動分析装置の特徴を十分把握したうえで,見逃しがないように各々の施設の条件に合った鏡検ロジックを作成して鏡検法で確認することが重要となる.

 尿沈渣検査の自動化は,有効な尿検査システムを構築することによって,効率性と精度をともに満足させる質の高い検査を行うことが可能となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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