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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻10号

2009年09月発行

文献概要

COLUMN―形態検査において知っておきたいこと

尿中赤血球の形態検査(変形赤血球)

著者: 北本康則1

所属機関: 1仙台社会保険病院総合診療科検査部

ページ範囲:P.1022 - P.1022

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 まず良質(?)の尿を得ることが,信頼できる結果を得るための必須条件となる.尿中変形赤血球,なかでも腎炎性血尿の指標となるG1赤血球は,生理的赤血球形態が尿細管でpHと浸透圧の変化に曝されることにより非可逆的に変形し特徴的な形をとったものと考えられており,酸性濃縮尿において最も多く出現する.実際には尿pH6.5未満で浸透圧400mOsm/kg・H2O以上が望ましいため,G1観察には早朝尿を用いるとよい.本検査と同時に尿一般検査もオーダーされることが多いため試験紙でpH6以下であることを確認するとよい.また,浸透圧の条件は大まかには尿比重1,010以上で代用できる.一方,赤血球が少ないと観察に時間がかかりすぎるが,定性で潜血反応1+以上か鏡検(400倍)で赤血球数5個以上/1視野の尿を用いれば問題はない.また,微分干渉顕微鏡や位相差顕微鏡がなくともステルンハイマー・マールビン(Sternheimer-Malbin)染色で十分に観察できる.

参考文献

1) 北本康則:尿中変形赤血球(G1).Medical Technology 37:559-563,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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