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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻10号

2009年09月発行

文献概要

COLUMN―形態検査において知っておきたいこと

グンプレヒトの核影

著者: 黒山祥文1 大畑雅彦1

所属機関: 1静岡赤十字病院検査部

ページ範囲:P.1075 - P.1075

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 グンプレヒト(Gumprecht)の核影とは,塗抹標本作製時に白血球の細胞質が壊れ,核のみがみられる場合をいい,“basket cell”あるいは“smudge cell”とも呼ばれている(図1a,b).これらは標本作製時のアーチファクトとしてみられ,健常人の末梢血塗抹標本でも2%以内とされている.白血球分類で核影が認められた場合は,白血球200個分類とは別にカウントし,個数/200WBCと表現することが望ましい.薄層塗抹標本時で認めやすく,病的な幼若な細胞が多くみられる症例やリンパ球が増加する小児の検体,慢性リンパ性白血病や伝染性単核球症など,特にリンパ系疾患では多数みられる(図2a).このような症例ではスピナー標本(図2b)あるいは圧座伸展標本を作製し,白血球分類するとよい.骨髄塗抹標本でも,核影が多く認められる場合は圧座伸展標本で分類を行う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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