文献詳細
COLUMN―形態検査において知っておきたいこと
文献概要
細胞診標本作製過程中に発生する他検体からの細胞のコンタミネーション(混入)は,検査や診断の正確性が失われ,重大な誤診につながる可能性がある.実際,別患者の検体の一部が混入し,陽性と診断されたため,肺が切除された事例がある.細胞診標本において,ほかから混入した細胞は焦点が異なるため通常鑑別可能であるが(図),原因となった混入元の検体を特定することが肝要である.また,コンタミネーションは,標本の中心付近には起こりにくく,染色かごと標本が接触している標本辺縁部分に起こりやすい.
癌細胞が多量に出現している可能性の高い検体は最後に染色する,染色後は頻繁に可能な限り染色液の濾過をする,など検体相互のコンタミネーションの防止に努めることが肝要である.
癌細胞が多量に出現している可能性の高い検体は最後に染色する,染色後は頻繁に可能な限り染色液の濾過をする,など検体相互のコンタミネーションの防止に努めることが肝要である.
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