icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻10号

2009年09月発行

文献概要

COLUMN―形態検査において知っておきたいこと

コンタミネーション

著者: 伊藤仁1

所属機関: 1東海大学医学部付属病院病理検査技術科

ページ範囲:P.1166 - P.1166

文献購入ページに移動
 細胞診標本作製過程中に発生する他検体からの細胞のコンタミネーション(混入)は,検査や診断の正確性が失われ,重大な誤診につながる可能性がある.実際,別患者の検体の一部が混入し,陽性と診断されたため,肺が切除された事例がある.細胞診標本において,ほかから混入した細胞は焦点が異なるため通常鑑別可能であるが(図),原因となった混入元の検体を特定することが肝要である.また,コンタミネーションは,標本の中心付近には起こりにくく,染色かごと標本が接触している標本辺縁部分に起こりやすい.

 癌細胞が多量に出現している可能性の高い検体は最後に染色する,染色後は頻繁に可能な限り染色液の濾過をする,など検体相互のコンタミネーションの防止に努めることが肝要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?