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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻10号

2009年09月発行

文献概要

COLUMN―形態検査において知っておきたいこと

組織細胞転写(分割)法

著者: 伊藤仁1

所属機関: 1東海大学医学部付属病院病理検査技術科

ページ範囲:P.1214 - P.1214

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 良性と悪性の鑑別や組織型の鑑別が困難な場合や,診断の確認あるいは腫瘍の細分類など種々の目的で酵素抗体法が応用されることが少なくない.通常パパニコロウ(Papanicolaou)染色標本を脱色して酵素抗体法が行われるが,ほぼ同一の組織切片が多数作製可能であるパラフィン切片に比べ,婦人科検体や穿刺細胞診検体では,通常1枚~数枚の標本に限られるため,多数のマーカー検索は困難である.

 しかし,現在では1枚のパパニコロウ標本上の細胞をほかの複数のスライドガラスに分割し移す細胞転写法という技法を用いることにより,複数の検索が可能となっている(図).細胞転写法はキシレンでカバーガラスをはがした標本に封入剤を塗布し,硬化後軟化させ,ビニール状になった封入剤とともに細胞をスライドガラスからはがし,分割あるいはトリミングし,ほかの複数ガラスに貼り付ける方法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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