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Laboratory Practice 〈生化学〉
MDA-LDLの測定法
著者: 伊藤雅子1 駒形美穂1 草野達郎1 鈴木由紀子1 小谷一夫2
所属機関: 1株式会社エスアールエル免疫化学部 2積水メディカル株式会社
ページ範囲:P.1330 - P.1332
文献購入ページに移動平成19年度国民健康・栄養調査では,糖尿病が強く疑われる人と糖尿病の可能性が否定できない人の合計は推定2,210万人と報告されている.糖尿病にはさまざまな合併症があるが,その原因となる動脈硬化は比較的早期に起こり,直接命にかかわる脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高める.
動脈硬化性疾患の原因の一つとして,酸化された低密度リポ蛋白質(low-density lipoprotein,LDL)が中心的な役割を果たすことが明らかになった.酸化LDLは,不飽和脂肪酸が酸化を受けて生じる多彩な物質の総称であり,代表的な脂質過酸化産物であるマロンジアルデヒド(malondialdehyde,MDA)によりアポBが修飾されたLDL(MDA-LDL)は,動脈硬化の形成と進展に深いかかわりを持つことが報告されている1).このMDA-LDLは,冠動脈疾患既往歴のある糖尿病患者における冠動脈疾患の予後予測マーカーとして有用であり,2008年6月に保険適用された.
本稿では血清中MDA-LDLの測定キット,酸化LDLエライザ「第一」(積水メディカル)の基礎性能検討について報告する.
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