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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻12号

2009年11月発行

文献概要

目指せ!一般検査の精度向上

―尿沈渣検査の精度向上:7―尿沈渣成分の鑑別―結晶・塩類

著者: 太田惣1

所属機関: 1KKR札幌医療センター臨床検査科

ページ範囲:P.1384 - P.1388

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はじめに

 尿中にみられる結晶・塩類は,摂取した飲食物や塩類代謝の影響により健常人でもみられる通常結晶と病的状態を反映している異常結晶および服用・投与された薬物に由来する薬物結晶がある.

 尿は身体の恒常性を保つために生成されている代謝産物であり,結晶・塩類の多くは腎臓で濾過された成分(代謝産物)が尿路系や排尿後に採尿容器内で析出したものである.結晶・塩類の析出には尿中成分の溶解度・含有濃度,pH,温度,各種共存物質など種々の因子が関与している.これら一連の作用により形成された結晶・塩類は,尿pHにより出現する種類もおおよそ限られ,それぞれ特有の形態的特徴を示すことから尿沈渣検査では鑑別することが可能な場合が多い.しかしながら類似成分においては,酸やアルカリ溶液などによる溶解性を確認するなどの化学的性状を把握することも必要である.

参考文献

1) 日本臨床衛生検査技師会(編):尿沈渣検査法2000.日本臨床衛生検査技師会,2000
2) 金井泉,金井正光(編著):臨床検査法提要(31版).金原出版,1998
3) 上田尚彦,今井宣子:尿沈渣 標本の作製から診断まで.診断と治療社,1999
4) 西国広,藤利夫,油野友二,他:尿沈渣検査のすすめ方―「尿沈渣検査法」の標準化に向けて.近代出版,1996
5) 伊藤機一,野崎司,高橋二美子,他:尿沈渣ガイドブック.東海大学出版会,2000
6) 稲垣勇夫,近藤清志:尿沈渣中の無晶性塩類の除去法.検査と技術 13:963,1985

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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