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Laboratory Practice 〈生化学〉
子宮頸癌とHPVジェノタイピング
著者: 水沼眞紀子1 渡邊佳代子1 三宅一義1
所属機関: 1ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 IVD事業本部 マーケティング部門MDマーケティング部
ページ範囲:P.1412 - P.1415
文献購入ページに移動子宮頸癌は定期的な検診(子宮頸部細胞診)の実施でほぼ100%予防可能な“がん”であることがわかってきているが,近年の日本では検診受診率の低迷により若年層における子宮頸癌罹患率の増加傾向がみられ,社会的な問題となっている.
子宮頸癌は,ヒトパピローマウイルス(human papilloma virus,HPV)感染によって起こることがHarald zur Hausen(ハラルド・ツア・ハウゼン)博士らによって解明された.1980年以降の分子生物学の急速な発展によって,HPVジェノタイピングの解析が可能となり,子宮頸癌とHPVの関連性についてより明確な知見が得られ,1990年代にはHPVワクチンの開発へと進展した.ハウゼン博士はHPV検査やHPVワクチンの開発への多大なる貢献が認められ,2008年ノーベル生理医学賞受賞に至った.
本稿ではロシュ・モレキュラー・ダイアグノスティックス社が開発したアンプリコアリニアアレイHPVジェノタイピングキットを中心にHPVジェノタイピングの検出方法について解説する.
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