icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻13号

2009年12月発行

文献概要

オピニオン

メタボ対策―栄養と運動の組合せ

著者: 岡村浩嗣1

所属機関: 1大阪体育大学体育学部健康・スポーツマネジメント学科

ページ範囲:P.1446 - P.1446

文献購入ページに移動
 メタボは食べ過ぎか運動不足,あるいはその両方でエネルギー収支が正の状態が続いて太ったことが主な原因である,日本人の平均エネルギー摂取量は,1970年代前半の約2,200kcal/日をピークとして現在は1,900kcal/日ほどである.このため,太った人が増えているのは,体を動かすことが減ったためだろうと考えられている.

 “Energy density”は“エネルギー密度”と訳せるが,わが国ではほとんど耳にしない.食べ物の重量当たりのエネルギー量のことである.果物はエネルギー密度が低くケーキは高い.食品成分表によると,ミカンとショートケーキはどちらも重量は90gだが,エネルギーは前者が31kcalなのに後者は310kcal.水分量が違うからである.果物は重量の80~90%は水分なので甘くてもエネルギーは少ない.肉や魚も70%ほど,飯は65%,野菜は90%ほどが水分である.食べ物は見かけの大きさや重さが同じでも成分によってエネルギーはかなり違う.満腹に食べてもエネルギーの摂り過ぎにならない食べ物もあれば,そうでないものもある.筆者は「健康意識の高い人はエネルギー密度の低いものを食べている」といったキャンペーンをしてはどうだろうと思っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?