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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻13号

2009年12月発行

文献概要

技術講座 生化学

―ホルモンの測定シリーズ・9 副腎系:2―DHEA,DHEA-S,アルドステロン

著者: 明比祐子1 蘆田健二1 柳瀬敏彦1

所属機関: 1福岡大学医学部内分泌・糖尿病内科

ページ範囲:P.1447 - P.1451

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新しい知見

 デヒドロエピアンドロステロン(dehydroepiandrosterone,DHEA)およびDHEA-sulfate(DHEA-S)は思春期以降の加齢に伴う漸減変動から老化指標となりうるが,同時に近年,その血中濃度と生存率の関係を検討した前向き疫学研究から,少なくとも男性においては長生き指標(高いほど長生き)としても有用であることが明らかとなった.レニン-アンジオテンシン-アルドステロン(renin-angiotensin-aldosterone,RAA)系は体液,電解質調節を介した昇圧系としての意義のみならず,近年,アンジオテンシンIIならびにアルドステロンそのものによる心血管系,腎への直接的臓器障害が明らかにされている.降圧剤として,アンジオテンシン受容体拮抗薬(angiotensin receptor blocker,ARB)のみならず,選択的抗アルドステロン薬も開発され,その顕著な臓器保護効果が明らかとなってきている.また,二次性高血圧の成因として原発性アルドステロン症が,比較的高頻度であることが明らかにされ,高血圧患者のスクリーニング検査としてのアルドステロン測定の重要性が増している.

参考文献

1) 柳瀬敏彦,名和田新:加齢に伴う副腎機能.ホルモンと臨床 51:439-444,2003
2) Ashida K, Goto K, Zhao Y, et al:Dehydroepiandrosterone negatively regulates the p38 mitogen-activated protein kinase pathway by a novel mitogen-activated protein kinase phosphatase. Biochim Biophys Acta 1728:84-94,2005
3) 柳瀬敏彦:誌上ディベート『DHEAは摂取すべきか否か』 DHEAは理想的な補充ホルモンである.日本抗加齢医学雑誌 4:62-64,2008
4) Yoshimoto T, Hirata Y:Aldosterone as a cardiovascular risk hormone. Endocrine J 54:359-370,2007
5) 小河淳,土師正文,名取省一,他:固相法によるDHEA RIAキット(DPC)の基礎的および臨床的検討.ホルモンと臨床 36:95-100,1988
6) 小河淳,土師正文,名取省一,他:固相法によるDHEA-sulfate RIAキット(DPC)の基礎的および臨床的検討.ホルモンと臨床 36:179-184,1988
7) 増戸梨恵,早川明子,山口ひろ子,他:全自動化学発光酵素免疫測定装置UniCelDxI800におけるデヒドロエピアンドロステロン・サルフェート(DHEA-S)測定試薬の基礎的検討.医学と薬学 66:443-448,2006
8) 稲葉聡,宮森勇:基礎研究の進展 アルドステロンの測定法・評価法.日本臨床 63:245-249,2005
9) Omura M, Saito J, Yamaguchi K, et al:Prospective study on the prevalence of secondary hypertension among hypertensive patients visiting a general outpatient clinic in Japan. Hypertens Res 27:193-202,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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