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技術講座 病理
乳癌リンパ節転移診断への分子生物学的手法の適用―One Step Nucleic acid Amplification(OSNA)法
著者: 吉本倫子1 杉山透1
所属機関: 1シスメックス株式会社学術部
ページ範囲:P.1453 - P.1457
文献購入ページに移動リンパ節への癌細胞転移の有無を調べるには病理学的手法が主流であるが,術中では時間的制約からリンパ節の一部分しか観察できない.一方,分子生物学的手法ではリンパ節全体を検索できる利点があるが,迅速性,特異性などの面から術中迅速組織診断への適応は困難と考えられてきた.そこでこれらの病理学,分子生物学的手法の問題点を克服し,術中に高い精度で転移を検出できる検査法としてOSNA(one-step nucleic acid amplification)法が開発された.2008年11月には術前検査でリンパ節転移陽性が明らかでない乳癌患者に対して,「摘出された乳癌所属リンパ節中のサイトケラチン(cytokeratin,CK)19mRNAの検出によるリンパ節転移診断の補助」を目的として保険収載が認められた.
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