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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻13号

2009年12月発行

文献概要

ワンポイントアドバイス

高感度梅毒TP抗体測定の評価ならびに新しい梅毒検査の進め方

著者: 柴田宏1 森山英彦1 谷口由紀1 松田親史1 長井篤1

所属機関: 1島根大学病院検査部

ページ範囲:P.1472 - P.1474

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はじめに

 梅毒は代表的な全身性の性感染症であり,病原性スピロヘータの一種であるTreponema Pallidum(TP)の感染によって発症する.検査法としては血清を用いた免疫血清学的検査法が一般的に用いられており,TP菌体成分を抗原に用いるTP抗体測定法と,リン脂質のカルジオリピンを抗原とするSTS(serological test for syphilis)法がある.

 近年,検査法の進歩により,梅毒TP抗体検査が自動化され,高感度化,迅速化,省力化が進んでいる.今回,リコンビナントTP抗原を用いた全自動免疫測定装置HISCL-2000i〔化学発光酵素免疫測定法(chemiluminescent enzyme immunoassay,CLEIA)〕によるTP抗体測定の基礎的検討の結果と,高感度測定が可能になったことによる梅毒検査の進め方について報告する.

参考文献

1) 佐藤隆:梅毒の血清学的診断法の研究―Treponema pallidum 特異IgM血球凝集反応の応用―.山口医学 34:483-505,1985
2) 野田真希,阿部泰典,葛西千枝子,他:ラッテクス凝集比濁法による梅毒脂質抗体測定試薬の基礎的検討.医学検査 52:1279-1282,2003
3) 小島弘敬:梅毒.臨床と微生物 32:57-64,2005
4) Augenbraun MH, DeHovitz JA, Feldman J, et al:Biological false-positive syphilis test results for women infected with human immunodeficiency virus. Clin Infect Dis 19:1040-1044,1994
5) 中村雄樹,千葉奈穂,野中則孝:「アキュラスオートTP抗体」の基礎性能について.生物試料分析 29:349-354,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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