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病気のはなし
潰瘍性大腸炎
著者: 新美惠子1 藤城光弘1 小野敏嗣1 後藤修1 小田島慎也1 山道信毅1 小俣政男1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院消化器内科
ページ範囲:P.102 - P.106
文献購入ページに移動潰瘍性大腸炎は,「主として粘膜を侵し,しばしばびらんや潰瘍を形成する大腸の原因不明のびまん性非特異的炎症である」と定義される.発症年齢は20代がピークだが,小児や高齢者も稀ではない.病変範囲,重症度によってさまざまな症状を呈し,個々に合わせて治療していく.薬物療法として,ステロイド剤,サリチル酸塩剤〔サラゾスルファピリジン(salazosulfapyridine,SASP),5-アミノサリチル酸(5-aminosalicylic acid,5-ASA)〕,免疫抑制剤〔アザチオプリン,6-メルカプトプリン(6-mercaptopurine,6-MP),シクロスポリンなど〕などがあり,活動期は当然であるが,緩解期においても再燃を予防するために維持療法を行う必要がある.重症例や難治症例には,血球成分除去療法〔顆粒球除去療法(granulocyte apheresis,GCAP),白血球除去療法(leukocyte apheresis,LCAP)〕やシクロスポリン持続静注療法が有効である.インフリキシマブは,クローン病で有効性が確立している腫瘍壊死因子α(tumor necrosis factor-α,TNF-α)を抑制するキメラ抗体であるが,潰瘍性大腸炎に対しても効果を示すことが報告されている.
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