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技術講座 生化学
―臨床化学応用技術シリーズ・6―生化学試薬の改良と開発
著者: 大澤進1
所属機関: 1九州大学大学院医学研究院保健学部門
ページ範囲:P.245 - P.251
文献購入ページに移動これまで臨床化学応用技術シリーズを5回連載してきたが,本稿はその最終回として「生化学試薬の改良と開発」を説明する.
臨床化学の検査データは日常診療で非常に重要な役割を果たしているが,あまりにも日常化し,測定しているわれわれもその重要性を認識しにくいかもしれない.しかし,毎日大量に依頼される生化学検査を中止したら,医師の診療は成り立たないのは明白である.そして毎日,自由に精確な検査データを得ることができると,医師はそのデータのありがたみを忘れてしまいがちである.とはいえ,常に診療に役立つ新しい生体情報を検査部から発信し続けることで,われわれの存在意義を高めることができる.
今までは試薬メーカーの開発や大手検査センターの研究部門,そして医系の研究機関などから新しい検査法が提供されていた.しかし,今後は各都道府県の検査室に勤務する臨床検査技師(以下,技師)が試薬開発の能力をもつ時代にならなければならないと考えている.
最近は4年生大学や修士課程を卒業する技師が増加し,卒業研究や修士研究の経験をしている技師がいる.検査室に勤務したときから,日常検査だけの仕事をしていたのでは,その資産を有効に活かしているとは言えず,非常にもったいないわけである.
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